フェノール樹脂系複合材料
比重や振動減衰性や構造を自在に変えうるのが複合材の技術。
金属,プラスチック,ゴム,木の良い特性を複合した世にない材料です。
上記グラフの様に、伝達速度と内部損失を最適化したことで、
ジャンルや録音状態に関わらず、臨場感の高い音質へと導きます。
数限りなく実験し選択したフェノール樹脂は、優れたダンピング性を
有する特殊ゴム変性ノボラック型フェノール樹脂です。
(ゴムとフェノールを化学的に反応結合させた特殊樹脂)
ブレーキ材での実績でも最新の鳴き振動特性に優れた樹脂です。
※)金属や石,ガラスなどの無機物は弾性体で1つのバネ常数を持ち、
粘性項を持たないため内部損失(粘弾性tanδ)がありません。
一方、プラスチック,ゴムなどの有機物は弾性項と粘性項の2つの
物理性質を有するため粘弾性体と呼ばれます。木材は有機物で
且つ内部に水を吸い上げるための水管=空隙を有するため、
音の伝搬速度と内部損失のバランスが取れており、音響材料に
適しています。しかし、部位によるバラツキが大きい、鏡面研磨が
難しいなどの点から適用が限られ、均質に加工したMDF合板が
主に使われているようです。
我々が開発した複合材は高い弾性と高い粘性を持つ強粘弾性体
で、木材と同様の空隙を持たせたいわゆる高性能の木材代替品
として開発しました。また本製品は繊維補強プラスチックとも呼ばれ
1個あたり5tもの静荷重に耐えることができます。
KaNaDeの接触面
通常の自動研磨機での平坦度は±25μm程度のバラツキが生じますが、
KaNaDeは人力でおよそ±10μmの精度まで追い込んでいます。
(φ100品は、自動平面研磨機で0.5μmピッチで追い込み研磨。)
その結果、オーディオ機器の底面との密着性が高くなり振動調整を
スムーズに行うことができます。
(25μmの厚み誤差で、1Hzの音質誤差が生じてしまいます。)
下の実態顕微鏡写真は、製品面をそのまま100倍率に拡大したもので、
平坦度が高いことから、使用している様々な微小原材料のピントが
ぶれることはありません。
←------------------------- 1mm -----------------------------→
※)隠れていた細かな音を引き出すためには、製品の寸法精度が
より重要となりました。機器の設置面、フェルト面、側面、溝の中と
研磨目の粗さを最適に選択し、1つずつ手加工で仕上げています。
穴についても音質が最高となるように試作を繰り返した結果が、
精度20μmの2段式の穴となりました。ネジで止めるために適当に
開けたわけではありません。また精度が出ていなければ次の工程に
進まないように管理しています。機器の裏側に何らかの物質を密着
させると振動はその中心に集まります。中心振動は強く、密着度
のバラツキに影響するため、逃がすための適切な寸法の穴形状を
求めました。4本足や3本足、またトランスの直下と置く場所で音質が
異なるのは、ほとんど密着度の影響です。機器の裏側とフットとの
設置面の平坦度が良ければ、何本足でも物理的には同じはずです。
機器に重しを乗せると音質が安定するのは密着度が上がるから
です。
(当社の自論です。)
KaNaDeの8つの素材の分散
下の断面写真に示す様に、8つの素材が均一に分散されています。
KaNaDeの範囲 (イメージ)
「論」があっての「証拠」です。